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2036-12-31

はじめに。

初めてお越しの方は、〈続きを読む〉をクリックして、こちらの記事を必ずご覧下さいm(_ _)m

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2036-12-30

目次

このブログの目次を作ってみました(^^)

読みたい番号・タイトルをクリックして頂ければ、お話のページにとべるはずです。
不具合があったら教えて下さい。

【太陽を抱く月(本編)】

〈第一夜〉 
1蓮花茶/2決行/3目撃/4逃亡/5恋心/6歪曲/7功徳/8賭け/9未来/10予言/11天啓/12生と死/13景福宮/14放榜禮/15隠月閣/16忘憂/17伝言/18嘆息/19宮廷の夜/20如何様/21もう一つの太陽/22答え

〈第二夜〉
1予感/2解憂石/3立会い稽古/4酒宴/5選考/6思惑/7偉才/8課題/9純なる王女/10初めての教え/11弾む心/12居待月/13欲望/14市場/15火花/16温室/17貴賤/18返礼/19我侭/20遭逢

〈第三夜〉
1仮相の微笑み/2名前

【太陽を抱く月(番外編)】
別れの罷漏 (上)/(下)

珠玉の君 /

2014-10-21

第三夜 2 名前

フォンは資善堂〈チャソンダン〉の自室の中を、落ち着かない様子でうろうろしていた。使いに出したヒョンソンの帰りを今か今かと待っているのだ。普段は自分で使いに出しておいてさほどその報告を心待ちにはしていないのだが、今回ばかりは違う。ほとんど期待に近い予想が正しいのかそうではないのか……一刻も早く確かめねばならないからだ。


そわそわしてしょうがない心を落ち着かせるため部屋の中をぐるぐる回っていると、ふと例の竹筒の鉢植えが目に留まった。
フォンは竹筒に駆け寄ると、それを掴んでしげしげと見つめた。

数日前、ついに瑞々しい芽が出てきたのだ。
芽だけでは何の花か分からないが、もっと成長すれば自ずと分かるだろうと思っていた。しかし、待てど暮らせどつぼみどころか花らしい特徴が全然現れない。茎は伸びずに、葉ばかりが異様に増えて大きくなっていたので、フォンはこれが何の花なのかさっぱり分からなくなってしまっていた。
一体なんなのだろう、この植物は。

「そうだ! 会って直接聞いてみればよいのだ」

フォンは自分でも知らぬまに、そう独りごちているところに、後ろから「世子様」と呼ぶ声が聞こえた。
ヒョンソンが戻って来たのだ。

フォンが鉢植えの前から立ち上がると、ヒョンソンは報告を始めた。

「王女様のご学友がやって参りました」
「なら、いったい誰の娘なのわかったか?」
「吏曹判書の娘 ユン・ボギョンと、弘文館大提学の娘 ホ・ヨヌと申す者でございます」

――やはりあの者が来たか。
フォンの耳が捉えたのは、いつもなら聞いただけでうんざりしていた吏曹判書とユン家の姓ではなく、弘文館大提学の娘という言葉だった。
彼の予想は当たったのだ。
王女の学友ともなれば、それなりの家柄の娘で、王宮でも通用する容姿と学識を兼ね備えていなくてはならない。ホ・ヨムの妹はそのどちらも十分すぎるほど持ち合わせていたので、当然選ばれると思っていた。

──ヨヌ、ヨヌか。何と美しい名なのだろう。
やっと知ることが出来たその名を、フォンは噛み締めるように何度も心の中で呟いて、噛み締めた。

すっかり独りで浸っているフォンを見て、ヒョンソンがにやにやしながら尋ねた。


「もしや二人のうちどちらかは……世子様お気に入りの者ですかな?」

すると、フォンが一つ息を深く吸って、ヒョンソンに迫って来た。
しまった……この軽口っ!! と自分の性を呪っている暇もなく、あっという間にフォンに両手をひったくられた。ヒョンソンは、後ろに飛びのいてその両手を解放せんと試みるが、フォンが益々力を込めるので逃げることが出来ない。
覚悟を決めて雷に耐えるべく身を固くした時、意外な言葉が聞こえてきた。

「なあヒョンソン、頼れるのはお前だけだ」

ヒョンソンは耳を疑った。
主の顔を恐る恐る覗き込むと、その瞳は今まで見たことのない切実さを湛えている。

「世子様、なにを……いったい何をお考えなのですか? まさか──」

ヒョンソンは、目の前の主の表情と全く同じものを今まで何度も目にしたことがあった。官吏達が。武官達が。王族達が。そして──自分と同じ女人を愛する術を持たない内官でさえも、許されない恋に焦がれて胸を熱くして表情を。
彼はその時になってやっと、フォンが自分の“軽口”を否定していないことに気付いた。

「それはなりませぬぞ世子様!!」

ヒョンソン全身を震わせて出した声は、東宮殿中に響き渡るのではないかというほどだった。

「なぜならぬのだ?」

頼む前から拒否されて不服そうなフォンの手を、自分の手から必死に引き剥がしたヒョンソンはいつになく強い口調で話し始めた。

「世子様とあろうお方が、年頃の女人と宮中で周りの目を盗んで会うなど言語道断ですよ! 第一! 世子様には数多の護衛官や女官がつき従っております。こっそり会うなど不可能です!!」
「それゆえ、お前を頼っているのではないか」

ヒョンソンはここぞとばかりに不敵な笑みを浮かべて言った。

「お忘れでしょうか? 塀を越えようとなさった先日の件を。あの時鞭打ちにあったわがお尻は、未だヒリヒリ癒えておりませぬ。それに加え、本日はお暇などございませんよ。政務にお忙しい王様に成り代わって、宣赴傅官庁〈ソンジョンガンチョン〉の新参による蹴鞠〈けまり〉をご覧にならねばなりませんし、他にも──」
「四都目〈サドモク〉」

それまで珍しく有利に会話を進めていたヒョンソンの口は、その一言でぴくりとも動かなくなった。
見ると、フォンはいつもの意地悪な表情を浮かべている。

「結果に絶望したお前は惨めだったな。……それを心から慰め、励ましてやったのは、誰だった?」
「それは……それは、世子様でございます」
「試験科目の中庸を個人教授してやったのは……あれ、誰だった?」
「それは……世子様でございますよ」
「こうして、罷免を免れ、位も上がったのは誰のおかげだ?」
「……それも……世子さま……」

ヒョンソンが観念して、最後に消え入りそうな声でそういうと、フォンは満足気な表情を見せた。



フォンは早速手紙を書く用意をさせると、龍が躍る紋織物に逸る気持ちを抑えながら、文字をしたためた。

“この度宮殿に入ると聞いて、夜も眠れなかった。人を使わすから、その時にまた会おう”

そこまで書くと、フォンの筆がふととまった。
前回ヨヌに文を送った時は、謎掛けの答えが自分であったため、差出人の名を書かなかったのだ。
だが、今回はそうもいかない。しばらく考えた後、フォンは迷いの無い力強い筆を走らせた。

“李 喧”

それは、世界中で誰も呼んでくれない、だけれども、唯一自分自身のものだとはっきり言える、彼の名だった。



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2014-09-24

第三夜 1 仮相の微笑み

ヨヌは、隣の輿から降りて来た少女の姿を見た途端、表情をこわばらせた。
それは、先日ソルに酷い仕打ちをした吏曹判書の屋敷の娘だった。

「どうしてあなたがこの宮殿にいるの?」

しばしの沈黙の後に、先に口を開いたのは、ポギョンだった。
思いもよらぬ相手が突然隣に現れて驚いたのは、彼女もまた同じだ。
ポギョンは桃色のチョゴリに瑠璃色のチマ、ヨヌは黄色のチョゴリに赤のチマと、彼女達はそれぞれ一番お気に入りのものを纏い、いつもより綺麗に着飾っていた。
特にポギョンは、ペシテンギや細布に至るまで、全て良いものを見繕わせ身につけていた。

ポギョンは、ヨヌの上から下をまるで値踏みするように見ると、突然はっとして言った。

「まさか……あなたも王女様のご学友になったということ?」
「それじゃあ、あなたもそうなの?」

ヨヌの答えに、ポギョンは心底うんざりした顔をしてため息をついた。

こんなことは聞いていない。
王女のお相手が他にもいるだろうとは思っていたが、まさか二度と顔も見たくない相手とこのようなかたちで顔を合わせることになるなんて。
父デヒョンも、他の学友が決まっているのならば教えてくれても良いものを……
いや、知ったところで結局はこの事態は避けられなかったのだ。
事前にこの娘と一緒に宮中に上がることが分かったからと言って、王女の学友になることを拒否することは出来ない。
父が家に何か話を持ち帰って来る時、かたちだけは相手の意見を尋ねるが、だからと言って相手の意見は決して求めていない。
「王女様のご学友になってみる気をあるか?」という言葉は、その実「王女様のご学友になれ」という命令を意味していた。
そこにポギョンの意思は関係ない。
だから、他の学友は何人でどこの家の娘かなど、そんなことをわざわざ娘に言う必要が無かったのだ。
それに、この娘とのいざこざを父に話したところで、自分が咎められるだけだろう。
「なぜもっと上手くやれなかったのだ?」と。
──父はそう言う人間なのだ。

すっかり顔を背けて苦虫を噛み潰したような表情をしているポギョンに、ヨヌはそれ以上声を掛けることも出来ず、所在なく俯いているしかなかった。



「……国巫〈クンム〉様、大妃様がお待ちでございます」

ノギョンは、どこか遠くにいるように少女達の短いやり取りを耳の端に捉えたまま立ち尽くしていたが、追従巫女が静かに掛けた声で、我に返った。

「ああ、参ろう」

ノギョンは短く返事をして少し前に進んだが、すぐに立ち止まると、振り返って再び二人の少女達を見た。

それは何とも言えない感覚だった。
長年探し求めてきたものを見つけた高揚感と、これからもたらされる運命への恐怖。
温度の違うその二つの感覚は混じり合い、ノギョンの胸の鼓動を逸らせた。
彼女はそれを振り切るようにさっと前を向くと、堂々とした足取りで光化門をくぐった。



真っ直ぐ大妃の部屋まで通されると、そこにノギョンの帰りを今か今かと待っていた大妃尹氏の姿があった。
しばらく都を離れていたため、こうして大妃の姿を目にするのはだいぶ久しぶりのことだった。

ノギョン本人はこの部屋を好んで訪れることはただの一度も無い。
それに対して、大妃はノギョンがこの部屋を訪れるのをいつも心待ちにしていた。若くして国巫女に上り詰めるほどの絶大な神力を持っている巫女に、大妃はこの数年すっかり心酔し、宮中のほんの些細なことでも相談するようにしていた。


ノギョンは舞うように美しく挨拶をして大妃の前に座すと、もう一度恭しく礼をして言った。

「星宿の国巫、祈祷行脚を終えてただ今戻って参りました」

大妃は幾分満足そうな声でノギョンに尋ねた。

「それで、この旅の祈祷は順調でしたか?」
「天の気がどうも思わしくなく、当初予定していたよりは殊の外長引いてしまいました。どうか、お許し下さいませ」
「まったく気にしておりませんよ。それはさておき……すでに用件は聞いておると思うが、宮殿に上がる学友の顔の相を見てほしい」

ノギョンは、間違っても大妃の機嫌を損なうことがないよう、表情と声色に最大限の神経を注いで尋ねた。

「顔の相から何を見定めるのでしょう?」
「“王妃”の相を」

その声を聞いた途端、ノギョンの口元に浮かんでいた美しい弧が一瞬にして消えた。彼女の息を飲む音が、思いがけず部屋の空気を振るわせたが、大妃はそのことに気づいていないのか、構わず言葉を続ける。

「行脚の後の清らかな今ならば、この目もこの上なく澄んでいるであろう。二人のうち、どちらに王妃の相が出ておるか、見極めるのです」

見ると、大妃の目は臣下の帰還を手放しで喜ぶものから、獲物を狙う猛禽類のそれに変化していた。それは、どこまでも狡猾な眼差しだった。
ノギョンは、光化門の前に居た時のように胸の鼓動が再び早く打ち出すのを感じた。
そして、少女達から読み取った恐ろしい行く末は現実のものになるのだということを、確信した。



◆◇◆


ヨヌとポギョンは、淑英斎の中にある一室に通された。
案内役を務めるノ尚宮は、「王妃様がお声をお掛けになるまでここで待つように」と言い残し部屋を出て行った。
ヨヌとポギョンは、礼儀正しく頭を垂れて見送ったが、元の姿勢に戻り互いにふっと横を向いた時、まともに相手と目が合ってしまった。
気まずさが流れる。
ポギョンがすぐに目を逸らしてしまったので、ヨヌも何となく居心地が悪い。二人は、どちらからともなく部屋の両端に離れると、壁際に置かれている箪笥や小物入れといった調度品に手を添えて座った。
お互い顔を見ないようにしていたが、しんとした静けさと気まずさに耐えきれなくなったヨヌは、座ったままほんの少しだけポギョンの方に近づくと、思い切って声を掛けた。

「あなた……ユン・ボギョンだったわよね?」

ノ尚宮がそう呼んでいるのを聞いて知ったその名前を、ヨヌは出来るだけ親しみを込めて言ってみた。

「初めはお互い気分のいい出会いじゃなかったけど、過ぎたことは忘れてこれからは仲良くしましょう」

ポギョンがソルにした仕打ちは、決して納得出来るものではない。
だが、幸いソルは傷跡が残ることもなく順調に回復することが出来たし、何よりヨヌは自分の物言いもかなり礼に反するものだったと後になってから後悔していた。
ヨヌがソルを大切に思うように、ポギョンにとって、無くなった金子は金銭として持つ価値以上にとても大事なものだったのかもしれない。それを、良く事情を聞きもしないで、人の受けた傷とは比べようもないなどと決めつけることこそ、金に不自由したことの無いお嬢様の傲慢ではないか。
ヨヌがソルを絶対に無実だと信じていたように、ポギョンはポギョンでソルを疑わざるおえない状況にあったのだろう。
そう冷静に考えられるようになると、彼女に対する怒りは不思議と無くなっていた。
そうして今こうして顔を合わせた彼女に対して思うことは、王女様のご学友を立派に勤め上げるために純粋に協力したいということだけだった。

一方のポギョンは、ヨヌの台詞を聞いて思わず失笑してしまった。
なんておめでたい子なのだろう。
ポギョンはあの日の出来事を忘れるつもりなどなかったし、もし自分がヨヌの立場だったとてもそれは同じだ。屋敷で好き放題言われたお返しをしようと口を開きかけたその時、父の忠告を思い出した。

“宮殿では自ら敵を作るような真似はするな”
たとえ敵となる者の前でも、表向きは低姿勢で振舞い、相手の言うままに行動せよ。
本心を相手に悟られることは、絶対にあってはならぬ。
──それが政治というものだ。


ポギョンはすっと息を深く吸うと、満面の笑みを作ってヨヌに微笑んだ。

「そうね、仲良くしましょう」

ポギョンの答えに、ヨヌはほっと息をついた。

「良かった! てっきりあの日のことを怒ってると思ってた」
「ああ、そんな。あの日のことは……こちらこそごめんなさい」

ポギョンは眉尻を下げて心から詫びるようにそう言った。

「あなたがそう言ってくれて、気持ちが楽になった」

ポギョンの表情にすっかり安心したヨヌは、ポギョンのすぐ横まですり寄ると、彼女の左手を優しく握った。

「ではあらためて……どうかよろしくね」
「ええ」

互いにそう言うと、再び彼女達は微笑み合った。
ポギョンの手を包み込むヨヌの手に、知らず力が込められる。
ポギョンは、その感触がたまらなく不快でしょうがなかった。





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2014-09-16

のーわー!!

更新ウラ話。になります……

,゜.:。+゜,゜.:。+゜,゜.:。+゜,゜.:。+゜,゜.:。+゜,゜.:。+゜,゜.:。+゜,゜.:。+゜,゜.:。+゜

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思いつきと願望だけで、ブログ立ち上げました。
単純ですぐ影響されやすい奴です……^^
よろしくお願いします(_ _)

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